ソファー・財布・バッグ等修理|高知市の革修理は革研究所 高知上町店
革修理ブログ
2026/08/01
革 染色 技術 世界 日本 高知
こんにちは、革研究所高知上町店です(^^)/
今日も夏らしく気持ちの良い晴れが続いております!
梅雨明けからずっと暑いですが、なんと高知県は8/1現在で21日連続猛暑日を記録しているようです( ゚Д゚)
この記録はまだまだ伸びそうです!!
先日も書きましたが、7/28には僕の地元(正確には隣町(笑))、黒潮町で40.7℃の酷暑日を記録しております!
暑さに慣れているとはいえ、これは暑すぎです…
先ほど店の前の公園に、親子連れが来て遊んでいましたが10分もせずに帰っていきました。
そりゃそうですよね…
でも夏休みなのに、外で思いっきり遊べないのは可哀想すぎます。
夕方など、少し暑さの和らいだ時間帯からでも遊べるようになると良いのですが(*_*;
せっかくの夏休み、皆さんが少しでも楽しく、心安らげる時間があることを願っています!!
では、本題のブログに入っていきたいと思います!
今日は「革の染色」について書いていこうと思います。
革には色々な種類があり、原皮の違いや鞣し方の違い、肌触りや質感など様々ですが、皆さんが革製品を購入する際に一番気にする点はどこでしょうか?
「皮革製品を購入する際に重要視するポイント」というアンケートでは、
1.品質
2.デザイン
3.価格
4.フィット感・使用感
5.革の種類
6.製造された国
7.ブランド
…
と続くのですが、やはり気に入った物を使いたいと思う方が多いのが分かります。
自分にとってのラッキーカラーや落ち着く色、お気に入りの色などそれぞれあるのではないでしょうか?
そこで、革製品を購入を決める際の大きな判断材料になる、「色」をどうやって染めているのかしっかりと勉強していきましょう。
私たちの身の回りには、財布やバッグ、靴、ベルトなどのアパレル品から、ソファなどの家具まで多くの革製品があります。
これらの革製品は丈夫で長持ちするだけではなく、美しい色合いや独特の風合いを持っていることが大きな魅力です。
しかし、その色や質感は、単に染料で色を付けるだけでは作ることができません。
革にはさまざまな加工の工程があり、それぞれに高い技術が必要となります。
そこで今回は、革がどのような工程を経て染色されるのか、そしてその技術がなぜ重要なのかについて説明していきます!
ちょっと長くなりますが、最後までお付き合いください<m(__)m>
まず、革ができるまでの流れについてですが、革の原料は牛や豚、羊などの動物の皮です。
動物の皮はそのままでは腐敗してしまうため、「なめし」という加工を行います。
これは何度も、書いていますね(^-^;
なめしの工程には、自然由来の成分を使用する「タンニンなめし」と「クロムなめし」の2種類があり、時間をかけてゆっくり加工される、タンニンなめしは革本来の風合いや経年変化を楽しめることが特徴です。
クロムなめしは加工時間が短く、柔らかくしなやかな革を作ることができるため、多くのファッション製品に利用されています。
なめし工程のあと、革の厚さを均一に整えたり、余分な水分を取り除いたりする工程が行われます。
これらの下処理が不十分だと、後の染色で色ムラが発生したり、品質が低下したりするため、とても重要です!
この次に、染色工程があります!
革の染色方法には、大きく分けて「芯通し染色」と「表面染色」があります。
「芯通し染色」は、ドラムと呼ばれる大型の回転機械の中で革と染料を一緒に回転させ、革の内部まで染料を浸透させる方法です。
この方法で染められた革は、傷が付いても色が目立ちにくく、自然な風合いを残すことができるため、高級バッグや高品質な財布などに多く利用されています。
一方、「表面染色」は革の表面に顔料や塗料を吹き付ける方法です。
均一できれいな色に仕上げやすく、耐水性や耐摩耗性も向上し、鮮やかな色や光沢のある仕上がりを実現しやすいため、さまざまなデザインの商品に利用されています。
しかし、使い込むうちに表面の塗膜が劣化し、塗料が落ちたり剝がれたりすることがあるため、用途に応じた使い分けが必要です。
「芯通し染色」と「表面染色」の違いを見分けるには、以下の内容で、ある程度判断できます。
【革の端や断面を見る】
「芯通し染色」
・表面だけでなく断面まで同じ色に染まっている。
・断面を見てもほぼ同じ色が続いている。
「表面染色」
・表面だけが着色されている。
・断面は白っぽい色や革本来の色が見えることが多い。
【キズを見る】
「芯通し染色」
・傷が付いても内側まで同じ色なので、傷が目立ちにくい。
・使い込むほど自然な風合いになる。
「表面染色」
・表面の塗膜が削れると、下地の色が見えて傷が目立ちやすい。
・深い傷では白っぽく見えることもある。
【 手触りを確認する】
「芯通し染色」
・革本来のしっとりした質感や毛穴が感じられる。
・自然な風合いがある。
「表面染色」
・表面が滑らかで均一。
・コーティングされているため、少し硬めやツルツルした感触になることがある。
【 経年変化を見る】
「芯通し染色」
・使うほど色に深みが増し、「味」が出る。
・エイジング(経年変化)を楽しめる。
「表面染色」
・色は比較的変化しにくい。
・長期間使用すると表面の塗膜が摩耗し、剥がれることがある。
このような違いで、みなさんがお持ちの革製品がどちらの染め工程を経ているのかを判断できますので、参考にしてみてください。
染色後に、乾燥の工程が行われます。
この乾燥も単純に水分を飛ばすだけではダメで、温度や湿度、乾燥時間を適切に管理しなければ、革が硬くなったり縮んだりする原因になるため、加工工場では細かな管理が徹底されています。
乾燥後は仕上げ工程です。
ここで革にオイルやワックスを塗布したり、表面を磨いたり、型押し加工を施したりします。
オイル仕上げは、しっとりとした手触りと自然な光沢を作ります。
ワックス仕上げは、防水性や耐久性を向上さます。
型押し加工は、クロコダイルやシボ(シワ)模様など、さまざまなデザインを作ることができます。
これらの仕上げ方法によって、革製品の見た目だけでなく、使いやすさや耐久性も大きく変わってきます。
続いて、革の染色技術が重要な理由を書いていきます!
一番の理由は、品質を左右するという点です。
同じ原料の革でも、染色技術によって色を均一に染められるかや耐久性、風合いが大きく変化します。
職人は革の状態を見極めながら、染料の濃度や温度、時間を細かく調整していくため、経験と技術が、高品質な革製品を生み出していくためには必要になってきます。
2つ目の理由は、製品の価値を高めるためです。
消費者は色合いや質感によって商品を選ぶことが多く、染色技術は製品の第一印象を決めます。
また、経年変化によって味わいが増すような革は、適切な染色技術によって魅力が増し、多くの人に愛されるようになるのです。
3つ目の理由は、環境への配慮です。
最近は環境問題への関心が高まりから、革産業でも持続可能な生産方法が求められています。
従来の染色では大量の水や薬品を使用することが課題でしたが、現在では、水の使用量を削減する染色技術や、植物由来の天然染料を利用する方法や排水を浄化して再利用する設備などが導入することにより、環境への配慮もされています。
革製品は世界中で作られていますが、国によって染色や加工の考え方には大きな違いがあるようなので、ここでちょっと寄り道!
日本とヨーロッパでの、それぞれ異なる特徴や違いを書いていきます。
まず、日本の革の染色技術についてですが、日本の革づくりは、「品質の高さ」と「均一性」を重視していることが特徴です。
革を染色する際には、色ムラが出ないように温度や時間、染料の濃度を細かく調整し、どの製品でも同じ色や品質になるように管理されています。
また、顧客から細かな色のオーダーがあった場合でも、それを正確に再現できる高い技術があります。
そのため、日本の革は世界でも品質が高いと評価されており、高級バッグや財布、靴などにも多く使われています。
一方、ヨーロッパでは、日本とは異なる考え方があり、なかでもイタリアでは、革本来の個性や自然な風合いを大切にしているため、色ムラや濃淡をあえて残すことがあります。
職人が手作業で染色を行うことも多く、そこでそめられた革は一枚一枚違った表情を持っています。
また、「経年変化」を楽しむ文化があり、独特の味わいを生み出すことから、世界中の革製品ファンから高く評価されています。
このように、日本は「精密で均一な品質」、イタリアは「革本来の個性や芸術性」を重視するといった違いがあります。
では、どこで皮が革に変わっているのかというてんですが、日本を代表する老舗の革工房やタンナーがいくつかあるので、代表的なものを紹介します。
まずは栃木県にある「栃木レザー」です。
1937年に創業し、植物由来のタンニンを使った「タンニンなめし」の伝統的な製法で革を作り続けています。
革を完成させるまでには20日以上もかけて丁寧になめし、美しい経年変化が楽しめるよう高品質なヌメ革を生産しています。
その品質は国内外で高く評価されています。
続いて兵庫県の姫路地域です。
姫路は日本最大級の革の産地として知られ、日本の牛革生産の約7割を担っています。
多くのタンナーや工房が集まり、クロムなめしなどの美しい発色の染色技術を活かして、バッグや靴、車のシートなど、さまざまな革や革製品を作っています。
世界的に見ると歴史あるタンナーが数多く存在します。
創業が古い順にいくと…
1位 イギリス ベイカー社 1862年
オークバーク(樫の樹皮)による植物タンニンなめしを今も続ける世界最古級のタンナー。
馬具や高級革製品用の革で有名。
2位 スウェーデン タルンショ・ファルヴェーリ社 1873年
北欧を代表する老舗タンナーで、環境に配慮した植物タンニンなめしで知られる。
3位 アメリカ ホーウィン社 1905年
シカゴの老舗タンナーで、「クロムエクセルレザー」や「シェルコードバン」が世界的に有名。
高級靴やバッグに使用される。
4位 イタリア ワルピエ社 1973年
イタリア・トスカーナ地方を代表する植物タンニンレザーの名門で、深い色合いと美しい経年変化が特徴。
5位イタリア バダラッシー・カルロ社 1983年
元ワルピエの職人たちが設立し、伝統技術を受け継いで「プエブロレザー」など独特の風合いを持つ革で有名。
などなど、世界には100年以上も革を生産し続けているタンナーかまだまだあります!
日本の高品質な革を作るタンナーもこれから長く続いていくんでしょうね。
さて、話は戻りますが、日本と世界では革づくりに対する考え方が違い、日本は正確さや品質の安定を大切にし、イタリアなどヨーロッパでは革本来の個性や職人の技術を大切にしています。
なんだか、国民性の違いが革作りにもでているようですね(^-^;
どちらが優れているということではなく、それぞれの文化や価値観が革づくりに表れていてどちらも魅力的です!
ここまで、長々と書いてきましたが、こうした作られる国の違いや新しい技術と伝統を大切にした製造工程、環境負荷を減らしながら高品質な革を生産する取り組みなど、革産業もどんどん進化しています。
さらに、近年ではデジタル技術も活用されており、コンピューターによる色彩管理によって、同じ色を安定して再現できるようになっています。
また、自動化設備の導入によって品質のばらつきが減少し、生産効率も向上しています。
しかし、最終的な判断には、人の目や経験が欠かせないため、最新技術と職人の技術を組み合わせることで、より良い製品を生産することができているのです。
これからの革産業では、このようなハイブリット型の生産方法がますます重要になると考えられています。
このように、革の染色は単なる色付けではなく、多くの工程と高度な技術によっておこなわれており、一枚の革には、原料の選別からなめし、染色、乾燥、仕上げまで多くの人の技術と努力が詰まっているのです。
私たちが普段何気なく使っている革製品も、このような過程を知ることで、より愛着が湧き、大切に使いたいという気持ちが生まれるのではないでしょうか?
また革産業は、環境に配慮した新しい技術の発展と伝統的な技術を守りながら、持続可能な産業へと進化しているのです。
革の染色技術は、美しい製品を作るだけでなく、品質や耐久性、環境への配慮、さらには製品の価値そのものを支える重要な技術なのです。
これから革製品を見る機会があれば、その色や質感だけでなく、その背景にある職人の技術や加工工程にも注目していただければ、より付加価値の高い物になっていくのではないでしょうか。
当店では、お気に入りの革製品を長く使っていただくお手伝いができます。
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